CAEDについて
Campus Ambient & Energy Dashboard(CAED)は、電気通信大学がカーボンニュートラル実現に向けたソリューション研究の情報発信・共有を行うための異分野連携プラットフォームです。エネルギー・通信・人工知能などの研究を融合し、人類の持続的発展にとって危機的重要課題であるエネルギー・環境問題の解決と、我が国の産業競争力向上に貢献することを目指します。
CAEDは、キャンパスのさまざまな環境センシングやエネルギー消費を可視化するために、i-パワードエネルギー・システム研究センター(i-PERC)、先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター(AWCC)、人工知能先端研究センター(AIX)の3研究センターが、共同事業として立ち上げたものです。
キャンパス内のさまざまな目的と役割を持つ建物ごとに、エネルギー使用量と二酸化炭素(CO2)排出量の時系列変化、環境センシングや通信のアクティビティ、AIとIoTを駆使した分析と制御の情報をリアルタイムで収集し、カーボンニュートラルに向けた本学の取り組みや研究成果を可視化することを目的としています。
環境センシングとエネルギー消費の可視化
地球温暖化に及ぼす影響がもっとも大きな温室効果ガスであるCO2の濃度は、増加の一途を辿っています。温室効果ガス世界資料センターの解析では、2020年の世界の平均濃度は413.2ppmであり、工業化(1750年頃)以前の平均的な値である278ppmから49%も増加しています。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、人間が地球の気候を温暖化させたことを「疑う余地がない」と断言しています。私達の生活をさらに便利で豊かにすることが期待されるAIやIoTも、その開発・製造の過程で大量のCO2を排出します。精度の高いAIを訓練する際には、平均的な乗用車を製造、使用、廃棄する全過程分の約5倍のCO2を排出するという米国の研究結果もあり、新たな科学技術の創出と発展のためには、そのカーボンフットプリントを十分に考慮することが必須となっています。
カーボンニュートラルの実現に向けて
現在、カーボンニュートラルの実現に向けて、大きな潜在力を有する要素技術の確立が視野に入ってきています。一方、カーボンニュートラルを実現する道筋としての新たな社会像は未だ不確かです。そこには、既存のエネルギーインフラのパラダイムに拘束されない、抜本的な模索が必要でしょう。
電気通信大学はキャンパスをカーボンニュートラルの研究拠点と位置づけ、情報・エネルギー総合学理・技術の実践と議論を行っています。大学のキャンパスは、その目的と役割によって必要とされるエネルギー量が異なる建物が集まった、小さな街のような場所です。それぞれの建物の状況と事情に適合する方法によってエネルギー効率を高め、キャンパス全体としてカーボンニュートラルの目標を達成できるようにする活動は、そのまま社会に還元することが可能です。
電気通信大学の展望
このCAEDは、その一連の活動の発展を加速させるための、情報発信と共有の場とすることを目標としました。その実現によって、ゼロカーボンキャンパスの実現と成果の水平展開、さらには革新的なイノベーション創出に貢献して参ります。